玄関ドアが幅70cmで狭い|一般的な規格の寸法(横幅・高さ)、カバー工法で広くできる条件
「今の玄関ドアは幅が70cm程度で狭くて出入りしにくい」
本記事では、お住まいの玄関ドアに不便さを感じている方のために玄関ドアの一般的な規格サイズとカバー工法でドア幅を広くする方法について解説します。
車椅子や介護が必要でもスムーズに通れる開口寸法や、大型家具を搬入出できるかどうかの調べ方など、多くの方からいただく質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムのポイント |
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Contents
玄関ドアが幅70cmで狭い|古いor特殊な環境で使用されているのが一般的
玄関ドアが70cm幅の住宅ドアは、主に築年数の経っている古い住宅に設置されています。
ただし、比較的新しい住宅でも以下の理由によって玄関ドアの幅を狭くしている可能性があるため、リフォームを計画する前にその理由を知ることも重要です。
- ドアの断熱性・気密性が低いため、熱の出入りを最小限に抑えるために間口を小さくした
- 狭小住宅で玄関ポーチや室内玄関のスペースを小さくせざるを得なかった
- コスト削減のために、コンパクトな玄関ドアを選んだ
- 元々は勝手口で後から玄関にリフォームした(単世帯から二世帯への改修など)
このように、玄関ドアの幅が70cmである理由はいくつかあります。
玄関ドアの一般的な規格の寸法(横幅・高さ)、介護など用途に応じて必要な寸法も紹介
「既存の玄関ドア幅が70cmで狭い」と感じている方でリフォームを検討している方は、まず一般的な規格サイズを知っておきましょう。
現在もしくは近い将来にご家族の介護が必要になる場合は、その点も踏まえたサイズ検討が必要です。
今回は一般的な規格サイズの例として、玄関ドア大手メーカーの中からLIXIL(リクシル)玄関ドアの規格サイズを紹介します。
玄関ドアの一般的な規格の寸法(幅・高さ)|片袖ドア・親子ドアなど種類ごとの寸法一覧
玄関ドアは、ドアの開き方によって開口幅は異なります。
以下の記事では、玄関ドアの種類について詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
〈関連ページ〉玄関ドアの最適な高さ・幅の決め方|一般的なサイズを種類別に紹介
ドアの種類 |
ドア・袖パネル本体幅 (mm) |
ドア・袖パネル本体高さ (mm) |
---|---|---|
片開きドア | 813 | 2,318 |
片袖ドア |
ドア:813 袖:332 |
2,318 |
両袖ドア |
ドア:813 袖:148.5(両側) |
2,318 |
親子ドア |
親扉:813 子扉:355 |
2,318 |
両開きドア |
親扉:813 子扉:807 |
2,318 |
※上記サイズはドア本体の幅・高さで、ドア枠を含むサイズとは異なります。
介護などの用途に応じて必要な寸法
玄関ドアの開口幅は、介護や子育て中のご家庭にとって日常生活の利便性に影響します。
車椅子や杖を使う方や介助が必要な方、ベビーカーを押して玄関を出入りしたい方は、必要最低開口幅をチェックしておきましょう。
- 車椅子での通行:800mm以上(スムーズな通行には900mm以上必要)
- 杖をつきながらでの通行:800mm以上(スムーズな通行には900mm以上、松葉杖など2本杖使用の場合は1,000mm以上必要)
- 介助人付きでの通行:1,000mm以上(スムーズな通行には1,200mm以上必要)
- ベビーカーを押したままでの通行:800mm以上(スムーズな通行には900mm以上必要)
※車椅子やベビーカー本体のサイズによっては必要最低幅が異なる場合もあります。
以下の記事では、車椅子対応の玄関ドアを選ぶ際のポイントを紹介しています。
〈関連ページ〉車椅子対応のドア選び|開き戸の工夫や最適なドア幅、改修方法を解説
玄関ドアの規格の寸法はオーダーメイドで変更可能
「今ついている玄関ドアの幅は70cmなので規格サイズと合わない」という方もご安心ください。
リフォーム用玄関ドアは既存開口サイズに併せてオーダーメイド(特注)できます。
ここでLIXILリフォーム用玄関ドアの製作可能サイズ範囲を紹介します。
ドアの種類 | 枠も含めた本体幅 (mm) | 枠も含めた本体高さ (mm) |
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片開きドア | 764〜943 | 1,841〜2,356 |
親子ドア 片袖ドア 両袖ドア | 1,040〜1,361 | 1,841〜2,356 |
※ドアデザインによって製作可能範囲が異なる場合があります。
※FamiLock(電気錠)と組み合わせる場合は製作可能範囲が異なります。
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玄関ドアの幅をカバー工法で広くできる条件|カバー工法が難しい場合のリフォーム方法も紹介
既存住宅の玄関ドア交換で一般的に採用されている方法が「カバー工法」で、既存ドア枠を残してその上から新しいドア枠を被せ、そこにドアを取り付ける方法です。
玄関ドア周りの壁やドアを解体せず数時間でリフォームが完了するため、多くの住宅で施工されているスタンダードな工法です。
以下の記事では、玄関ドアのカバー工法について詳しく解説しています。
〈関連ページ〉【玄関ドアのリフォーム】カバー工法とは?|費用の目安、メリット・デメリット、その他の工法も紹介
玄関ドアの幅をカバー工法で広くできる条件
- ドアの片側もしくは両側に明かり取りのガラスが設置されている
- ドアの片側もしくは両側に郵便受け(ポスト口)などを付けるためのパネルが設置されている
- 既存ドア枠が極端に劣化していない(劣化して強度の低いドア枠はカバー工法に対応できない)
カバー工法は壁を壊さずに新しいドアへ交換する方法なので、ドアの両側が壁では開口幅を広げられません。
ちなみに、ドアの上に欄間(ランマ)がついているドアは、リフォームで背の高いドアへ交換できる可能性があります。
カバー工法で玄関ドアをリフォームしたい方は、ドア周囲の状況を確認しましょう。
カバー工法が難しい場合のリフォーム方法
カバー工法でドアの幅を広げられない場合は、周囲の外壁や土間を解体して既存ドア枠ごと撤去し、新築用玄関ドアを設置する必要があります。
つまり、ドア周辺の解体工事だけではなくその復旧工事も発生するということです。
そのため、費用が高くなり工期も長引くので注意しましょう。
以下の記事ではカバー工法以外のリフォーム方法について詳しく解説しています。
〈関連ページ〉玄関ドアのカバー工法ができない場合はある?欠点やカバー工法以外のリフォームも紹介
大型家具を玄関ドアから搬入できるかを確認する方法
「玄関ドアの幅が70cmしかなくて大きな家具を入れられなかった」というケースは珍しくありません。
お引越しや家具・家電を購入する前に家の中に搬入できるか知りたい方は、寸法の測り方に注意しましょう。
玄関ドア開口寸法の測り方
玄関ドアの開口寸法は、ドアを全開にした状態で測ります。
枠の内側(縦・横)を採寸するのではなく、有効開口サイズを測るのがポイントです。
ドアの厚みやドアハンドルの幅を含んで開口サイズを測ると、荷物がそこで引っかかって搬入できない可能性があるので注意しましょう。
築年数が経っている古い住宅では、ドアの上下で開口幅が異なる場合もあるため、上・中・下、左・中・右と数カ所で寸法を測ると確実です。
大型家具の寸法の測り方
ソファや洋服だんす、冷蔵庫、洗濯機など、分解できない大きな荷物を玄関ドアから搬入する場合は、必ず「幅・高さ・奥行き」の全てを確認しましょう。
細かい部品も含めたトータルサイズ(一番長い辺)を採寸する点が重要なポイントです。
家具や家電にキズがつかないように搬入したい場合は、梱包材の厚さも考慮する必要があります。
大型家具の搬入時には経路すべての寸法を確認
大型家具や家電を搬入する際には、経路すべての寸法を確認しましょう。
- 玄関ドアの開口寸法
- 荷物を搬入する部屋のドア開口寸法
- 廊下幅(曲がり角がある場合はその寸法も)
- 階段の幅と天井までの高さ(部分的に天井高さが低い場合は要注意)
- 階段の踊り場サイズ(荷物を切り返せるか)
- エレベーターの有効開口寸法(ドアが全開状態での幅・高さ)
- エレベーターの庫内サイズ(幅・高さ・奥行き)
玄関ドアの寸法Q&A
玄関ドアリフォームを検討している方からよくいただく質問を紹介します。
建築基準法で玄関ドアの寸法に関する決まりはある?
建築基準法では玄関ドアの寸法に関する決まりはありませんが、建築基準法に付随する「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」では、移動等円滑化経路(玄関ドアや室内ドア、廊下、通路など)の幅を80cm以上にすることを定めています。
ただし、この規定は以下の条件に当てはまる建物(居室)のみが対象です。
- 不特定多数の人が利用し、主に高齢者や障害者等が利用する居室がある場合
- 建物もしくは敷地内に車椅子使用者用トイレを設ける場合
- 建物もしくは敷地内に車椅子使用者用駐車施設を設ける場合
- 建物が公共用通路を兼ねている場合
つまり、個人用住宅は規定の対象になりません。
〈参考〉高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令
ただし、個人用住宅の玄関ドアでも消防法や建築基準法における防火規定の対象となり、防火ドアを選ばなくてはいけないケースがあるため注意しましょう。
マンションの玄関ドアを大きくしたい
マンションの玄関ドアは専有部ではなく共用部に該当するため、区分所有者個人の意思では寸法・材質・デザインのいずれも自由に決められません。
また、マンションの玄関ドア横に袖パネルやガラスが設置されているケースはほぼなく、ドアを大きくするには壁の解体が必要なので、原則として工事できません。
ただし、防犯・防音・断熱など住宅性能向上を目的とした玄関ドアリフォームは認められる可能性がありますので、不便さを感じている方は管理組合や管理会社へ相談しましょう。
〈参考〉国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型)||第22条)
勝手口のドアを玄関ドアにできる?
勝手口ドアも玄関ドアも基本的な構造は変わらないため、勝手口ドアを玄関ドアへ交換することはできます。
ただし、勝手口ドア本体の規格サイズ(幅)は600〜740mm程度と玄関ドアよりも小さく、ドアの横に袖パネルがついている事例はごく僅かなので、カバー工法ではドアを大きくできない可能性があ理ます。
そのため、勝手口ドアを大きくして玄関にしたい場合は、専門家に現地調査を依頼しましょう。
以下の記事では勝手口を玄関代わりに使うメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
〈関連ページ〉【勝手口を玄関代わりに】メリット・デメリット解説│不満を解消する方法も紹介
まとめ
「今の玄関ドア幅が70cmで狭く通りづらい」とお困りの方は、まず一般的なドアサイズやスムーズに出入りできる開口寸法をチェックして、リフォームでドアを大きくできるか確認しましょう。
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